Tempura-chan’s blog

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"Choice Theory" (選択理論心理学)ブックレビュー(1)

2022年に読んだ本で良かったものをブックレビューしたいと思います。

今回はWilliam Glasser博士の"Choice Theory"です。日本では『選択理論心理学』と呼ばれていますね。この心理学では人間関係を重要事項と捉え、人間関係をよくするにはどうしたらよいか、ということを大きなテーマとして話が始まります。

読んでみてとても勉強になったのですが、特に日常でも役立ちそうなことを中心にレビューします。

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今回は、「自分をコントロールできるのは自分だけで、実は自分の気持ちや状態も自分で選んでいける」ということをまとめます。

 

Chapter1の1ページ目にかかれていることですが、これがChoice Theoryの真髄です。

"Choice theory explains that, for all practical purposes, we choose everything we do, including the misery we feel. Other people can neither make us miserable nor make us happy." (p.3)

 

つまり『選択理論心理学』では、私たちはみじめだなと思う気持ちを含めて、すべてのことを実は”自分で”選択していて、他人が自分たちをみじめにしたり幸せにしたりはできないんだ、ということです。

これが、なぜこの心理学に『選択』とついているのかを説明しています。

 

「気持ちも含めてすべて自分で選択している」というのは、結構衝撃的でした。

普段生活していると、「〇〇さんにこう言われたから落ち込んだ」とか「〇〇が△△してくれたから幸せ!」と考えてしまうからです。

 

こう続きます。

"..., we choose all our actions and thoughts and, indirectly, almost all our feelings and much of our physiology."(p. 4)

"Choice theory teaches that we are much more in control of our lives than we realize." (p.4)

 

行動や考えだけではなく、間接的には感情や生理的反応の多くを私たちは「自分で選んで」いて、「自分で思うよりもずっと自分の人生を自分でコントロールできる」ことをこの心理学は教えてくれる、と述べています。

 

行動や考えを選んでいる、というのは良く分かりますが、「感情」や「生理的な反応」というのも実は間接的に選んでいる、というのも驚きでした。

 

例えば人が「みじめだな...」と思うとき、『選択理論心理学』では次のようにその問題点を指摘します。

 

"But many times in life, when we are miserable it is because we continue to blame others for our misery or try to control others when it is against our best interest to do so." (p.19)

 

自分のみじめさを他人のせいにして非難したり、そうでなかったら、他人をコントロールしようとするからみじめになる。

 

また、「落ち込む」を意味するbeing depressedですが、『選択理論心理学』では受け身にせず、「自ら進んでそれを選んでいる」というニュアンスを込めてdepressingと表しています。

 

では、どうすればみじめになったり落ち込む、といったような状態を自分で選ぶのを止めることができるのでしょうか。Glasser博士は次のように説明しています。

 

", ...these are our choices when we want to stop choosing a painful behavior like depressing: (1) change what we want, (2) change what we are doing, or (3) change both." (p.71)

 

本の中で、奥さんに別れを告げられて受け入れられない人が事例として出てきます。彼はひどく落ち込んで何もできない状態になっていましたが、Glasser博士の選択理論心理学に基づくセラピーを受け自分の行動を変えました。まず、ショックで部屋でじっとしている状態から妻に自分の気持ちを伝える手紙を書くことにしました。これが(2)のchange what we are doingです。それでも奥さんの気持ちを変えられなかったため、「妻を取り戻す」という思いをあきらめ次の出会いへと目を向けました。その後新しい女性に出会うことができました。これが(1)のchange what we wantです。

 

こんなにうまく気持ちの切り替えができない、と思うかもしれませんが、「自分の状態は自分で選んでいける」ということが理解できるエピソードでした。

 

Reference

Glasser, W. (1998). Choice Theory: A New Psychology of Personal Freedom. HarperCollins Publisher.